★バンクシアブックシリーズvol.43
前作の『神道ことはじめ〜調和と秩序のコスモロジー〜』で、「神道とは日本の神々(エネルギー)の存在を知覚し感謝を捧げ、直感やひらめきを得る信仰である」と説いた著者の吉川竜実さんは、その信仰の源流が「縄文」にあると仰います。
人類史上もっとも古い文化的営みであり、自然界と調和した社会が1万年以上も続いていたという「縄文」。
それは弥生人に淘汰され私たちと切り離された過去のユートピアでも遠い記憶の断片でもなく、今を生きる私たちの血と感性の中に脈々と生き続けているというのです。
伊勢神宮で現職の禰宜をつとめる吉川さんが語る縄文の人々は、躍動感にあふれてダイナミックです。
時空間をとらえてモニュメントをつくり祭をし、火と水のエネルギーを受け取ってコミュニティを形成し、大海を渡ってモノのやり取りをしながら芸術的な土器や土偶をつくる人々の息吹が紐解かれるうちに、その精神が私たちの日常に受け継がれていることに気づきます。
自己を再発見することで、混迷の時代を風のように軽やかに突き抜けていく力になる。
そう確信させてくれる一冊です。
内容
〜目次より〜
第1章 大地に生きる
第2章 大海に生きる
第3章 生きる縄文文化の感性
エピローグ 風の時代を創る
著者 吉川 竜実
頁数 102ページ
出版社 株式会社 Total health design
著者 《吉川 竜実 さん プロフィール》
神宮徴古館・農業館館長、式年遷宮記念せんぐう館館長、教学課主任研究員。
平成元年 神宮に奉職。
平成2年 即位礼及び大嘗祭後の天皇(現上皇)陛下神宮御親謁(じんぐうごしんえつ)の儀、平成5年 第61回式年遷宮、平成25年第62回式年遷宮、平成31年 御退位につき天皇(現上皇)陛下神宮御親謁の儀、令和元年11月即位礼及び大嘗祭後の今上陛下神宮御親謁の儀に奉仕。
平成11年第1回・平成28年 第3回神宮大宮司学術奨励賞、平成29年 神道文化賞受賞。